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会長の役割と哲学
二宮:それでは、渋谷会長、よろしくお願いします!
渋谷:はい、よろしくお願いします。この番組『渋谷レックスの副音声 VOICEOVER』は、渋谷レックスの社員がMCとなり、普段のオフィスでは聞けない裏話や、社員の意外な一面を語る番組です。毎回、担当が入れ替わって進行しています。今回は、私、渋谷レックスの会長、渋谷順子が出演させていただきます。よろしくお願いします。
二宮:よろしくお願いします! そして私、リクライブの二宮です。渋谷レックスのことをよく知る立場として、今回のMCを務めさせていただきます。えっと、実は僕、会長とはほぼ初めましてなんですよね?
渋谷:そうですね。なかなかお会いする機会がなかったかもしれませんね。
二宮:そうなんですよ。でも、会長がいらっしゃることはもちろん存じ上げていましたし、すれ違ったことはあったんじゃないかなと。でも、僕のことって認識されていましたか?
渋谷:ええ、聞いてましたよ。
二宮:えっ、それはラジオとか動画とかですか?
渋谷:そうですね。皆さん、ラジオや収録をされているじゃないですか。その中で番組が始まっていることも聞いていたので、情報は入っていましたよ。
二宮:ありがとうございます! では、ちょっとお聞きしたいんですが、会長は普段、会社にいらっしゃるんですか?
渋谷:そうですね。私、今の年齢では社会的にいろいろな役割を持っているので、会社のことは基本的に皆さんに任せています。でも、半日はなるべく会社にいるようにしていますよ。
二宮:えっ、そうなんですか? かなり忙しそうですけど…。
渋谷:まあ、仕事大好き人間なので(笑)でもね、「元気で留守がいい」っていうのが私のスタンスなんです。
二宮:なるほど(笑)
渋谷:会社にいない方が、みんなが主体的に動けるし、自信がつくんですよ。もちろん、困ったときには出ますけどね。でも、私のこれまでの経験を「上から目線」で押し付けるのは良くないと思ってるんです。今の人たちは、私たちの時代とは違う能力を持っていると思うんですよ。
二宮:ほう、それはどういう意味ですか?
渋谷:それぞれが持っている能力が違うんです。でも、その能力をどう活かせるかが大事。私は、1人1人の力って基本的には変わらないと思ってるんですよ。ただ、きっかけがあるかないかで、それが発揮されるかどうかが決まる。
二宮:なるほど。
渋谷:私、13年間代表を務めていたんですけどね、その間に社員の成長をすごく感じました
二宮:13年…長いですね。会長
渋谷:そうですね。実は、主人が54歳のときにガンで亡くなってしまったんです。
二宮:えっ、それは…すごく若かったですね。
渋谷:はい。私はそのとき、会社の専務をやっていたんですが、夫が亡くなったことで社長を引き継ぐことになりました。それが今から20年前ですね。
二宮:じゃあ、社長を13年務めて、その後、8年前に会長に就任されたんですね?
渋谷:そういうことですね。
二宮:なるほど…。ちなみに、今は会社以外にもいろいろ活動されているとお聞きしたんですが?
渋谷:そうですね。商工会や倫理法人会、銀行関係の役職、さらに知的障害の子どもたちが通う支援学校の支援、少年院を出た子どもたちの指導など、10個くらいの役をやっています。
二宮:10個ですか?! すごいですね! そんなに忙しくて大丈夫なんですか?
渋谷:いやいや、忙しさのレベルが違いますよ。会社経営のときとは比べ物になりません(笑)。だって、役職って「その場に行ったときだけ」じゃないですか。
二宮:なるほど…。確かに、それならずっと考え続けるわけではないですね。
渋谷:そうなんです。でも、私は頼まれたことはちゃんとやるタイプなので、目の前にきた課題をしっかり解決するようにしています。
二宮:いや〜、すごい。渋谷レックスの会長としての活動ももちろん気になるんですが、それ以外の社会的な活動もかなり精力的にされているんですね。
渋谷:そうですね。でも、会社のことももちろん大切ですよ。社員はみんな家族みたいなものですからね。
二宮: なるほど。会長にとって、社員は家族のような存在なんですね。
渋谷:そうなんです。でも、私は頼まれたことはちゃんとやるタイプなので、目の前にきた課題をしっかり解決するようにしています。
二宮:いや〜、すごい。渋谷レックスの会長としての活動ももちろん気になるんですが、それ以外の社会的な活動もかなり精力的にされているんですね。
渋谷:そうですね。でも、会社のことももちろん大切ですよ。社員はみんな家族みたいなものですからね。
二宮: なるほど。会長にとって、社員は家族のような存在なんですね。
渋谷:そうです。私は、社員全員の「家族の長」だと思っています。だから、風邪をひかないように気をつけるのも、私の役目の一つ。
二宮:えっ、どういうことですか?
渋谷:例えば、倉庫は寒いじゃないですか。だから、冬には倉庫で働く社員たちにホッカイロを配るんですよ。
二宮:えっ、それって会長が自ら?
渋谷:そう。今日もここに来る前に、ホッカイロを詰める作業をしていました(笑)
二宮:まさかの! それって、会長の役目なんですか?
渋谷:いや、違います(笑)。私が勝手に決めたこと。
二宮:いやいや、すごいですね! その話を聞くと、渋谷レックスの社員の皆さんは、本当に大切にされているんだなと感じます。
渋谷:私は、会社全体を一つの大きな家族のように考えているんですよ。だから、社員が風邪をひかないようにするのも、草むしりをするのも、掃除をするのも、全部私の役目。
二宮:えぇ、草むしりまで!?
渋谷:そう。私は「大所帯の長」として、会社の環境を整えることが大切だと思っています。
二宮:いや~、会長らしい仕事って何かあるんですか?(笑)
渋谷:幹部会議には出席していますよ。でも、私の一番の役目は「やる気を止めないこと」ですね。
最大の試練と乗り越えた経験
二宮:ちょっと個人的に聞いてみたいことがあるんですよ。会長、社長でいらっしゃった時代も含めて、渋谷レックスで過ごした50年間の中で、一番大きな出来事って何ですか?
渋谷:うーん…やっぱり、主人が亡くなって、2人の息子が会社に戻ってきてくれたことかな。
二宮:それはいつのことですか?
渋谷:それがね、主人が亡くなった後、会社がすごく厳しい状況に陥ったんですよ。うちは「売掛商売」だから、信用が命なんです。でも、社長が亡くなると取引先が不安になるじゃないですか。それで、資金繰りが一気に悪化してしまって…。
二宮:なるほど…。確かに、時代的にもそういうことが起こり得ますよね。
渋谷:そう。そのときに、2人の息子が戻ってきてくれたんです。それが本当にありがたかったですね。
二宮: でも、会社の危機という意味では、それが一番大変だった時期ですか?
渋谷:いや、もっと大変なことがありましたよ。一番つらかったのは、一番下の息子が交通事故で亡くなったことです。。
二宮: えっ…。
渋谷:うちの4人目の子どもで。横断歩道を渡っていたところ、信号無視のトラックに跳ねられて、その日に亡くなりました。
二宮: えっ…。
渋谷:うちの4人目の子どもで。横断歩道を渡っていたところ、信号無視のトラックに跳ねられて、その日に亡くなりました。
二宮:それは…。
渋谷:そのとき主人はカナダに出張していたんですよ。カナダの先年会(先輩経営者の国際的な集まり)の大会に出席していて…。私は、日本で子どもを見ていたんですけど、ちょっと目を離した隙に事故が起きてしまって…。
二宮:…言葉が出ませんね。僕も子どもがいるので、想像しただけで胸が苦しくなります…。
渋谷:そうですね。今でも、あのときのことを思い出すと胸が締めつけられる。でも、あのとき学んだことがあるんです。
二宮:何を学ばれたんですか?
渋谷:「人間って、どんなに大変なことがあっても、前を向いて生きていくしかない」ということ。私ね、実は「大変だ」とか「忙しい」とか、そういう言葉を自分の中で使わないようにしているんです。
二宮: え、それはどうしてですか?
渋谷:だって、「なんで私ばっかりこんな目に…」って考えたら、前に進めなくなっちゃうじゃないですか。
二宮:たしかに…。でも、そんな状況の中で、どうやって乗り越えられたんですか?
渋谷:もうね、「やるしかない」んですよ。悲しいし、つらいし、逃げたくなるけど、それでも生きていくしかない。だから、一つひとつ目の前のことをやっていく。それしかなかったですね。
二宮:すごい…。
渋谷:そしてね、経営者としても学んだことがあるんです。主人が亡くなって、会社がピンチになったとき、私は「でも、これは生きるか死ぬかの問題じゃない」って思ったんです。だって、会社の経営が厳しいって言っても、それで自分の命がなくなるわけじゃないじゃないですか。
二宮:そうですね…。
渋谷:だから、「じゃあ、なんとかなるんじゃない?」って思えたんですよ。どんなに苦しくても、「生死がかかっているわけじゃないなら、何とかなるはずだ」ってね。
二宮:いや、会長、マインドが強すぎます…。
渋谷:でも、そう考えないと、経営なんてやっていけないですよ(笑)
二宮:たしかに…。経営って、まさに「判断の連続」ですもんね。
渋谷:そう。だからこそ、私は社員のみんなにも「結論を急ぐな」って言いたい。若いうちに「自分はこういう人間だ」って決めつけるのは、もったいないんですよ。
二宮:それは、どういう意味ですか?
渋谷:例えば、「自分はダメな人間だ」とか「これしかできない」って思い込んでしまうと、本当はもっと伸びるはずの才能が潰れちゃうじゃないですか。だから、どんなに理不尽なことがあっても、どんなにつらいことがあっても、「これも何かの経験になる」って思うことが大事。そうすれば、いつか必ず役に立つんですよ。
二宮:いや、ほんとに深い話ですね。
未来へバトンをつなぐメッセージ
二宮:さて、そろそろ次回のゲストにバトンを渡すお時間です。次回のゲストはどなたですか?
渋谷:次回のゲストは…渋谷レックスの菅野さんです!かのさん、すごく面白い子ですよ! すごく才能があるし、私は彼女の可能性に期待しています。
二宮:では、最後に菅野さんへのメッセージをお願いします!
渋谷:もっともっと伸びていってね! 彼女は絶対に成長するから。
二宮:菅野さんは、どんなところがすごいと思われますか?
渋谷:うーん、まず、とても明るい性格で周りを楽しませる力がありますよね。でも、本人はまだ自分の本当のポテンシャルに気づいていないかもしれない。だからこそ、「もっともっといけるよ!」って伝えたいですね。
二宮:なるほど。確かに、周りの人には見えているけど、自分では気づけていない部分ってありますよね。
渋谷:そうそう。人って、思っている以上にいろんな可能性を持ってるんですよ。でも、「私はこういう人だから」とか「これくらいでいいや」って思っちゃうと、そこで止まっちゃう。だから、私は社員のみんなにも「もっと自分を信じなさい!」ってよく言ってるんです。
二宮:いやー、深いですね。それ、かのさんだけじゃなくて、すべての社員さんにも当てはまる話ですね。
渋谷:そうですね。みんなそれぞれの可能性を持っているし、何がきっかけでその才能が開花するか分からない。だからこそ、「今できないからダメだ」って思わないでほしいんです。
二宮: それって、渋谷レックスの社風にもつながってますよね?
渋谷:そうですね。私は、会社全体を「一つの大きな家族」だと思っているので、一人ひとりの成長が本当に嬉しいんです。会社って、ただ仕事をする場所じゃなくて、自分自身を成長させる場でもあると思うんですよ。
二宮:なるほど…。そう考えると、渋谷レックスって、ただの企業じゃなくて「人を育てる場」なんですね。
渋谷:そういう風に感じてもらえたら嬉しいですね。だからこそ、かのさんにも「もっともっとチャレンジして!」って伝えたい。
二宮:では、今回の放送を聞いている社員の皆さんにも、一言メッセージをお願いします!
渋谷: 皆さん、いつも本当にありがとう。私は、社員の皆さんが頑張ってくれているからこそ、安心して会長の立場でいられます。だから、これからも自信を持って、一歩ずつ前に進んでいってほしいです。もし悩んだり、迷ったりすることがあったら、いつでも相談してくださいね。
二宮:いやー、本当に素敵なメッセージですね。では、そろそろお時間なので、このあたりで締めたいと思います。今回のゲストは渋谷レックス会長・渋谷順子さんでした!

