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渋谷社長の自己紹介

二宮:それでは、まず簡単に自己紹介をお願いできますか?

渋谷社長:改めて言うと少し照れくさいですが…年齢は現在40歳、いや、41歳ですね。福島県福島市で生まれ育ち、高校まで福島市で過ごしました。その後、大学は東京に進学しました。

二宮:大学卒業後は、ずっと福島に戻られていたんですか?

渋谷社長:いえ、大学時代はアルバイトをしながら生活していて、その関係で一度は東京で働いていました。でも、父が病気になったのをきっかけに、弟と一緒に福島市に戻ることにしたんです。そして、祖父母が創業した会社である渋谷レックスに入社しました。それが19年前、2004年頃の話ですね。

二宮:お父様が病気になったタイミングで戻られたんですね。最初から後を継ぐつもりで?

渋谷社長:そうですね。戻るタイミングがちょうど良かったというか…。祖父母が創業した会社を父が継ぎ、次は私たち兄弟が、という流れでした。当時、私は27歳で、弟もほぼ同じタイミングで会社に入りました。

二宮:その頃の渋谷レックスさんは、どんな状況だったんですか?

渋谷社長:当時の売上規模は約11億円で、厳しい経営状況でした。父が病気で他界した後、母が社長を引き継ぎ、親子三脚で会社を運営していました。ただ、当時の私は業界の知識も乏しくて、正直何から手をつけていいのかわからない状態でしたね。

二宮:なるほど。その後、渋谷社長自身が代表に就任されるまで、どのように会社に関わってこられたんですか?

渋谷社長:私自身は、2017年に代表取締役に就任しました。それまでは専務として、主に会社の運営や物流、人事などの内部的な部分を担当していました。弟が営業面を担い、私はそれ以外の部分をカバーする形で役割分担をしていたんです。

二宮:なるほど。ご家族で力を合わせて会社を支えてこられたんですね。

飽きの来ない会社づくりとチャレンジする風土

二宮:「そこにいて飽きのない会社を作る」というお話がありましたけれども、渋谷レックスさんが目指しているのは、どんな会社なんでしょうか? そして今後どうしていくお考えなんですか?

渋谷社長:私は「チャレンジする風土の継承」というビジョンを掲げています。これは、祖父母が創業した時代の会社の姿勢から来ているものなんです。創業当初の人たちは、今では考えられないようなチャレンジを常にしていたんだろうなと思うんですね。それを今も継承していける会社でありたいと考えています。
ただ、社員に「とにかくチャレンジしろ!」と押し付けても、いきなり大きなチャレンジをするのは難しいと思っています。だから、ホップ・ステップ・ジャンプのように段階を作ることが大事なんじゃないかと考えています。例えば「ホップ」の段階では、社員同士で挨拶をし合ったり、普段と違う会話が生まれたりする。そして「ステップ」では、新しいビジネスの話をしてみたり、次の行動に繋げたり。そして最終的に「ジャンプ」では、それを実際に形にする。そういう日常的なチャレンジができる会社を作りたいですね。

二宮:日常的にそういうことが起きる会社になれば、新しい事業が生まれるきっかけにもなりますし、最終的にはその事業が会社の成長に繋がりますよね。

渋谷社長:そうですね。それが事業として立ち上がり、さらに言えば、新たな会社を生み出すきっかけになることもあると思います。私たちが持っている経営資源をどう活用するか。それを考えることが、結果的に変化に強い会社を作る鍵になると思っています。

渋谷レックスの事業内容と海外展開

二宮:現在の渋谷レックスさんは、どんな事業をされているんですか?

渋谷社長:私たちは「お菓子と食品の流通業」を中心に行っています。創業当初からお菓子の卸売業が主力で、戦後の闇市からスタートしたと聞いています。
現在もお菓子を中心に地域の小売業者様に商品を卸していますが、そこから派生して様々な事業を展開しています。例えば、自社企画の商品開発やeコマース、そして貿易業も行っています。お菓子の専門商社のような形になってきていますね。

二宮:海外が25%ですか。それはすごいですね。もともと地元のお客様が中心だったと伺っていますが、その頃と比べるとずいぶん変わりましたね。

渋谷社長:そうですね。私と弟が会社に戻った当時は、売上のほぼ全てが福島県内のお客様との取引でした。そこから少しずつ販路を広げ、今では福島県内が全体の約2割、海外が25%、そしてその他の国内販路が約55%という構成になっています。
特に海外事業は、2010年に初めて中国の展示会に出展したところから始まりました。最初は何もわからない状態で手探りでしたが、少しずつ取引先が増え、結果的に海外の比率が大きくなりました。

海外進出のきっかけと成果

二宮:最初の中国展示会の話を聞きましたが、そこから具体的にどのように成果を出していったんですか?

渋谷社長:最初の3年間は、展示会に出展してもすぐに成果が出るわけではありませんでした。輸出の手続きや取引の進め方など、何もわからなかったので、とにかくセミナーに参加したり、知識のある人を頼ったりして学んでいました。
2013年に3回目の展示会に出た時、2人の現地のお客様と出会いました。一人はベビー用の商品を企画したいという中国のお客様で、もう一人は香港向けの輸出を考えているという方でした。この2人との出会いがきっかけで、ようやく海外事業が動き出しました。

オフィスリニューアルの背景と目的

二宮:昨年のオフィスリニューアルについて詳しく教えていただけますか?

渋谷社長:もともと営業職と事務職が明確に分かれていて、それが会社の一体感を欠く要因だと感じていました。そこで、全社員を総合職化し、部門や役職に関係なく、プロジェクト単位で横断的に仕事を進められる仕組みを取り入れました。
しかし、物理的なオフィス環境がその働き方に合わなくなってきたんです。それを改善するためにフリーアドレス制を導入し、プロジェクトメンバーが集まりやすいスペースを設けるなど、オフィスを全面的に見直しました。

将来のビジョンと社員への思い

二宮:渋谷レックスさんの将来のビジョンについてお聞かせください。

渋谷社長:「飽きの来ない会社」を目指しています。常に何かが起きている、常に新しいことに挑戦している、そんな会社でありたい。そして、社員一人ひとりが「自分の価値」を発揮し、結果として会社全体が成長する。そんな未来を目指しています。

二宮:福島市で働きたいからではなく、渋谷レックスで働きたいと思ってもらえるような会社にしたいんですね。

渋谷社長:ええ、それが結果的に地元にも新しい風を吹き込む形になると思います。そして変化を恐れず、社員たちと共に前進していきたいですね。